Riccard氏との作品制作に関するメール

 リッカルド氏とムサ氏が、今回、うみほし公園で竹を使用したアート作品を創作するにあたって、竹林の再生について、以下のようなメールがやり取りされましたので、ご紹介します。

曽和
++
日本では植物の成長力が旺盛なので、定期的に伐採しないと、森が荒れてしまいます。竹について言えば、これを放置竹林と呼びます。

このように日本では、定期的に森の木や竹を切ることが、美しい自然を再生し、維持するための方法として定着してきました。

ところが、第二次世界大戦後の日本では、高度成長期に工業化が進み、都市に人が集まるようになり、地方の森林は放置が進み、どんどん荒れていく一方です。

そこで宮津市や、地球デザインスクールでは竹林の竹を切り、石油に代わる燃料や製品の素材として、竹を再評価し、利用し、竹林の再生を進めようと考えています。

そのような理由で、放置された森林や竹林の樹木や竹を伐採し、利用することは、日本においては重要な自然保護活動と言うことができます。

このような基本的な認識を、作品づくりの参考にして下さい。

以上、ENZO君も含めて、意見交換をよろしく御願いします。


栗原さんを介したリッカルド氏からの返信
++
彼の普段の制作方法から言っても現地で実際に素材と環境を見ないまでは、構想を練るには、とても難しいとのことです。

現在のアイデアとして、(竹ではない)樹木一本の周りを竹の幹で囲うような作品アイデアがあるそうですが、これも現地に行かない限りは、実際どうなるかわからないそうです。

植物を伐採し、自然保護をしていくということには、リッカルドは、とても関心していました。

今回のiBartでの制作では、"森林の力”ということを強く意識しながら、自然の成長、再生(リサイクル)、素材の燃焼性、そしてこうした流れがまた力になっていく・・・といったことを理解し、表現していきたいと言っていました。

今週の木曜日の夜には、ジューリオ先生やリッカルドと一緒に会うことにしましたので、もし、こちらの方で話し合う必要なことがあればご提案下さい。

シチリアの群島の一つであるファビニャーナ島の市が主催するグループ展が10月15日から始まりますが、リッカルド、マルタ、私も参加します。

今回は、現地に行けず、作品を送るようなかたちでの出展ですが、相変わらず、皆、元気に前向きに活動しています。

曽和
++
作品制作の件について了解しました。
作品は現地で森や海・星を見て、地元の皆さんと触れあい、それらをエネルギーとして作品の創作に取りかかってください。

それが芸術的創作にとって、ランドスケープデザインに通ずる、とても重要なプロセスだと思います。このような認識を共有出来ること、とても嬉しいと思います。

ENZO君や堀口君、私も、その創作に精一杯協力したいと思います。

 

リッカルド氏、ムサ氏とお会いするのが、また皆さんの作品と出会えること、とても楽しみです。

+++