第2回目 「手ぼうき」づくり勉強会

 今回は川崎さんより、造園屋さんが手入れをなさって保存していた竹の剪定枝が持ち込まれ、前回の宮津の竹手ぼうきとの材料比較になりました。京都でも一流の庭師さんが手ぼうきづくりに使うつもりだったもので、剪定後日陰で寝かせていたものということ。黄色く熟成した枝は艶を帯び、野ざらしの枝より汚れが少なく、また柔らかな葉をまだつけたままです。適正に手入れされてきた竹なのでしょう。枝先が細かく枝分かれしているのも特徴です。

 この枝をつかって、手ぼうきづくりに挑戦しました。穂先が繊細で柔らかな枝を合わせ、持ち手になるあんこ部分で節を合わせます。前回作った手順と同じなので、枝をとって合わせるまで手慣れた調子で、時々 おしゃべりをはさみながらわきあいあいと作業しています。

 朝日新聞「ひびき紀行」に手ぼうきづくりで紹介された平井さん。みなより一朝一夕には追いつけない取り組みの違いを見せつけるかと思いきや!?今回は葉先をつけたままふんわり手ぼうきに挑戦です。ボリュームはありますが、このようなふんわり手ぼうきも個人的には好きです。最初のうちは細かい掃除には向きませんが、繊細にいろいろなゴミをキャッチします。長く使っているうちに枝がこなれて、使い続けたエンピツのようにほうき自体が寸が縮まり、同時に穂先が固くなり、次第に狭い場所のごみを掻き取れるようになります。

 手先の器用な小川さん、節を合わせてきましたね。彼は伝統の剪定鋏を愛してやまないコレクターでもあります。鋏もそうですが、箒も使いようで、使い続けて形状が変わるにつれ、用途に合わせた使い方ができます。もともと日本の民具としての歴史の中で、竹を一体利用をしてきて、穂先を捨てずに有効利用されて生まれた竹穂垣やほうき。もったいないという思いが、道具を大事にして、愛着を持って多様に使い続ける価値観がそこにあるように思います。

 できあがった箒。手前3つが今回作成。奥の3つが前回作成の宮津ほうき。手前のは、宮津の竹と比べると、美しさは一目瞭然。ですが使い勝手は、穂先が固まった宮津の竹のほうがかえって良いくらい、という意見も聞かれました。まだまだ奥深いですね!