大覚寺のハサミ

 iBart2013では、竹とともに、京都の庭園文化や庭の芸術性についても大切なテーマだと考えています。

 

 先日は、大覚寺の手打ちハサミ鍛冶、宮甚・野中鉄鋼さんにお邪魔させていただき、大覚寺のハサミ復活の経緯をお伺いしました。手打ちのハサミを復活させた野中さんは、小学生の頃から先代のハサミ打ちを手伝っていたと伺い、幼少の頃から鍛冶場に慣れ親しんでこられたことを知りました。このようにして世代間で技や感性が受け継がれるんだと納得しました。


 「大覚寺のハサミ」。

 京都の庭師が使う定番のハサミ「キリバシ」を手打ちで作る名工のハサミ鍛冶。宮甚・野中鉄鋼。先代が引退され、もう大覚寺のハサミは入手不可能かと一時は諦めたましたが、なんと私のゼミ生O君のハサミ研究がキッカケで、息子さんが大覚寺のハサミを復活させた。

 

 現在、予約一年待ち状態。私もこの機会を逃すまいと、早速、キリバシ、ワラビテ、両手バサミ一式を予約させていただきました。来年の10月が待ち遠しいです!

 宮甚・野中鉄鋼さん。最新刊の雑誌・庭 213号でも取り上げられています。 (10/01発売) ~庭師を支える匠の技01・大覚寺の鋏~。京都の庭は面白い。こんな所にも奥深い楽しみが見つかります。

 野中さんに、「大覚寺のハサミ」は音が良いとお話ししたら、「先代もハサミの音にはこだわっていた。」とのお話し。お互いに「そうですよね!」と納得納 得。ニコニコ。このような音感性の話が通じるのは非常に嬉しい。先代によると、昔の庭師さんは、「良い音のハサミが欲しい」と注文を付けられたとのことで す。

 庭園のサウンドスケープに、「ハサミの音」や「手ぼうきの音」など、庭師道具の音風景も重要な構成要素だと、あらためて認識しました。さて、新生・宮甚 の野中さん。私のオーダーに応えて、一年後には、意識して良い音のハサミを打ち上げて下さるでしょう。まさに「打てば響く」とは、このことです。音まで配 慮できる、庭師とハサミ鍛冶。感性が響き合うからこそ、素晴らしい庭が出来上がるんですね。

 

O君は、iBart2013の参加アーティストです。彼と出会ったら、ぜひ、庭師の道具の話を聞いてみてください。とても楽しく、しかも奥深い世界を垣間見せてくれると思います。

 

O君のブログ「べしょうのブログ」も面白いですよ!

http://ameblo.jp/yariganna/entry-11492658824.html

ぜひ、御覧あれ!